今にもつっかえそうな空の下で

可南子
「ああ・・・そんなとこで何をしているんです?あなた」
桂
「今・・・鑑賞中なの・・『出番』を探しているの。今年の三月にアニメの総集編が出るのよ。『出番』があるはずなのよ・・・その場面を探しているの」
可南子
「そんなDVDから探すのですか?」
桂
「並薔薇だからね・・・」
可南子
「ああ・・・その・・・なんでしょう・・・」
桂
「なにか?」
可南子
「いえ・・・その参考までにお聞きしたいのですが、ちょっとした個人的な好奇心なんですが。もし出番がなかったらどうするのですか?『セリフ』なんてないかも・・・・・・。いえ・・・それよりも出番があったとして背景なんかの一部だったとしたら、あなたはどう思って・・・・そんな苦労をしょいこんでいるんですか?」
桂
「そうね・・・わたしは『アニメ』だけを求めてはいないわ。『アニメ』だけを求めると並は近道をしたがるものよ・・・・・近道した時 真実を見失うかもしれない。やる気もしだいに失せていくわ。大切なのは『マリみてに出ようとする意志』だと思っているの。出ようとする意志さえあれば たとえアニメは出番がカットされたとしても いつかは作品に出演できるでしょう?出ようとしているわけだからね・・・・・・・・・・違うかな?」
可南子
「うらやましいわ・・・・・以前私は祐巳さまの妹になりたいとおもっていたわ・・・入学式のころから・・・ずっと。立派な紅薔薇のつぼみの妹に・・・・・・なりたかったんです。かつてあなたのような『意志』をいだいていた事もありました・・・。でもだめにしてしまいました・・・・ワタシって人間は・・・・。くだらない女です。なんだって途中で終わってしまう。いつだって途中でだめになってしまう・・・」
桂
「そんな事はないわ・・・可南子ちゃん」
可南子
「え?・・・・・・」
桂
「あなたはりっぱにやってるじゃあない・・・『意志』は同じよ・・・あなたが高等部に入ったばかりの時にいだいていたその『意志』は・・・今・・・あなたのその心の中に再び戻っているのよ・・・・可南子ちゃん」
可南子
「!なんでワタシの名を・・・知っているのですか?・・・・・?そういえばあなた・・・前にどこかで会った事が・・・・・ある」
桂
「どこへ行くの可南子ちゃん?」
可南子
「あのバスに乗るのよ・・・・思い出してきた・・・そうだ!!」
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